2018/06/27
どうも、ディープなクラゲです。
「ゼロから学ぶディープラーニング推論」シリーズの2回目記事です。
このシリーズでは、Neural Compute StickとRaspberryPiの使い方をゼロから徹底的に学び、成果としてディープラーニングの推論アプリケーションが作れるようになることを目指しています。
第2回目は、全シリーズで必要となるハードウェアと周辺機器について、何をどこで購入すれば良いかも含め、徹底的にご紹介します
また、メインのハードウェアとなるRaspberryPiの説明も行います!
本コンテンツで必要となるハードウェアと周辺機器の一覧です。
上記以外にPCも必要です。
ぱっと見ると、こんなに購入しないといけないのか!と思うかもしれませんが、半分以上は家によくある機器だと思います。それがあれば、その機器で代替可能です。
では、各機器の詳細について見ていきましょう!
時間がない人は、最後のまとめだけ見て下さい!
USB端子を搭載したスティックで、ディープラーニング推論処理を高速化するアクセラレータです。アクセラレータとは処理能力を高めるために追加して利用するハードウェアのことです。
Neural Compute Stickの詳細説明については、【01 概要】Neural Compute Stickで始めるディープラーニングを参照してください
ここでは、どこで買えるのかをご紹介します。
Movidiusの公式サイトに購入できるサイトが載っています。
https://developer.movidius.com/buy
2018年6月27日時点の販売価格、配送料、為替レート等で比較検討しました。
まずは海外サイトから見てみましょう
日本のアマゾンのアカウントは使えないので注意。別途アカウント登録が必要
https://www.amazon.com/Intel-NCSM2450-DK1-Movidius-Neural-Compute/dp/B076751BN8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1509147735&sr=8-1&keywords=neural+compute+stick
8,785円($80.05)
標準配送料 766円($6.98)
Free Shippingと書いてあるが、おそらく海外へは配送料がかかる
https://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html?ie=UTF8&nodeId=596200
納期は標準配送だと9~14営業日
https://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html?nodeId=201118450
https://www.mouser.jp/new/Intel/intel-movidius-stick/
MOUSER(マウサー)はアメリカテキサス州マンスフィールドに本社を置く電子部品・半導体製品のECサイト
税込で 9,940円(サイトの価格表示は税抜きなので注意)
配送料無料(6,000円以上で無料)
海外からの発送なので、納期はやや長い(3~4日くらい)
https://item.jd.com/5725817.html
中国で、アリババに次ぐ有名なECサイト。
9,979円(599元)
税金・配送料・納期が不明
この時点で、AmazonやMOUSERに比べメリットはないので、検討外とする
https://uk.rs-online.com/web/p/processor-microcontroller-development-kits/1393655/
税込で 12,191円(£83.99)
この時点で高いので、ここは検討外とする
続いて日本です
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-12594/
税込で 10,800円
配送料無料(10,800円以上で無料)
納期は1~2営業日
https://www.switch-science.com/catalog/3501/
税込で 10,800円
配送料無料(10,000円以上で無料)
納期は1~2営業日
https://jp.rs-online.com/web/p/processor-microcontroller-development-kits/1393655/
税込で 11,650円
配送料無料(8,000円以上で無料)
納期は1~2営業日
www.amazon.co.jp/dp/B074PRCJKH
税込で 15,800円
配送料 700円(関東の場合)
この時点で高いので、ここは検討外とする
海外と日本で候補をそれぞれ2つに絞って表にしました。
購入サイト | 総費用 | 納期 |
---|---|---|
Amazon(アメリカ) | 9,551円 | 9~14日 |
MOUSER(アメリカ) | 9,940円 | 3~4日 |
秋月電子通商(日本) | 10,800円 | 1~2日 |
SwitchScience(日本) | 10,800円 | 1~2日 |
※2018年6月27日時点での情報(販売価格、送料、為替etc)を元に作成
結論からいくとアメリカのAmazonが一番安いです。ただし納期がかなり長く、オプションで短納期にすることも可能ですが、費用が上がってしまいます。また、Amazonは電子部品専門ではないため、何か不備があったときの対応が少し心配です。
現実的には「MOUSER」「秋月電子通商」「Switch Science」から選択するのが良いかと思います。
クラゲは、他の周辺機器との買い合わせも考慮して「秋月電子通商」をお勧めします。
次にRaspberryPiについて見てゆきましょう!
RaspberryPi(通称ラズパイ)とは、世界で最も有名でたくさん使われているシングルボードコンピュータです。
子供たちのプログラミング教育用として開発されていますが、現在はホビー用途から業務用途まで幅広く使われています。
名刺サイズの安価で小さなコンピューターですが、「動画」「音楽」などのマルチメディア再生、センサー・ロボットなどの組込み制御、インターネット通信やWebサーバーなど色んなことができます。
コンピューターですので、OSを入れて動作させます。良く使われているOSはRaspbianというLinux派生OSです。ラズパイではmicroSDカードがHDD代わりになっていて、そこにOSも入れて使います。
ディスプレイに繋ぐためのHDMI出力、スピーカーに繋ぐためのミニジャック、マウスやキーボード、カメラに繋ぐためのUSBも持っています。
また、RaspberryPi3では、WiFiとBLEを搭載しています。
今回の「ディープラーニング推論」用途以外にもたくさんの使い道がありますし、たくさんの情報がWebや書籍に載っていますので、1台は持っていることをお勧めします。
ラズパイを調べると、たくさんの種類が出てきます
主なラズパイを表を見ながら整理しましょう。古くて入手できないラズパイやあまり使われていないラズパイは除いています。
大きく分けて、小さなラズパイと通常サイズのラズパイの2種類に分かれます
名称 | 主な特徴 | CPU | メモリ | 実売価格(日本) | 発売開始 |
---|---|---|---|---|---|
RaspberryPi Zero | サイズが小さい | シングルコア1GHz | 512MB | 648円 | 2015年11月 |
RaspberryPi ZeroW | WiFi・BLE搭載 | シングルコア1GHz | 512MB | 1,296円 | 2017年2月 |
RaspberryPi ZeroWH | WiFi・BLE搭載+ピンヘッダ搭載 | シングルコア1GHz | 512MB | 1,814円 | 2018年1月 |
※実売価格は2018年6月時点の値です
まず、小さなラズパイは性能を落としてでもサイズをコンパクトにしたい人向けです。今回のようにディープラーニング等で高速処理をさせたい用途には向いていません。
名称 | 主な特徴 | CPU | メモリ | 実売価格(日本) | 発売開始 |
---|---|---|---|---|---|
RaspberryPi1 B+ | 低性能・低価格 | シングルコア700MH | 512MB | 3,497円 | 2014年7月 |
RaspberryPi1 A+ | B+の廉価版 | シングルコア700MHz | 256MB | 3,013円 | 2014年11月 |
RaspberryPi2 B | 1より高性能 | クアッドコア900MHz | 1GB | 4,762円 | 2015年2月 |
RaspberryPi3 B | WiFi・Bluetooth搭載 | クアッドコア1.2GHz | 1GB | 4,320円 | 2016年2月 |
RaspberryPi3 B+ | Bよりやや高性能 | クアッドコア1.4GHz | 1GB | 5,670円 | 2018年3月 |
※実売価格は2018年6月時点の値です
今からRaspberryPi1やRaspberryPi2を買うことはお勧めしません。基本的にはRaspberryPi3で出来ないことは無いし、コストメリットもそれ程ないためです。(RaspberryPi2は逆に高い)
2018年6月現在では、最新のラズパイは「RaspberryPi3 B+」です。
ただし、「RasbperryPi3 B」に比べて圧倒的に性能が高いわけでないことと、発売されたばかりで安定していない可能性があること、Movidus Neural Compute StickのWebサイトにはまだ対象として書かれていません。
ということで、今回の「ディープラーニング推論」では、高性能かつ最も安定している「RasbperryPi3 B」の一択になります!
ラズパイは専用ケースも1,000円程度で販売されていますが、無くても問題ありません。
基板むき出しのままで使っている人がほとんどです。動作させるときに、金属などに触れないように気を付ければOKです。
「RaspberryPi3 B」について、どこで買うのが良いか比較検討します。
海外全部検討するとキリがないので、日本語対応しているサイトに絞りました。
2018年6月27日時点の販売価格、配送料等で比較検討しています。
https://jp.rs-online.com/web/p/processor-microcontroller-development-kits/1225826/
RSコンポーネンツはラズパイの正規総代理店です。
税込で 4,320円
配送料 450円(8,000円以上で無料)
納期は1~2営業日
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01NAHBSUD/welcome06-22/
税込で 4,979円
配送料無料
納期は1~2日
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-10414/
税込で 5,200円
配送料500円(10,800円以上で無料)
納期は1~2営業日
https://www.switch-science.com/catalog/3050/
税込で 5,670円
配送料500円(10,000円以上で無料)
納期は1~2営業日
https://www.mouser.jp/new/raspberry-pi/raspberry-pi-3/
税込で 5,411円
配送料 2,000円(6,000円以上で無料)
海外からの発送なので、納期はやや長い(3~4日くらい)
ラズパイはRSコンポーネンツで買うのが最安です
RSを使ったことがなく、これからも使う予定もなく登録が面倒くさい人は秋月電子で統一しても良いかと思います。
Neural Compute Stickを秋月電子で買うとすれば配送料が無料なので、RSとは330円程度の差です
「Neural Compute Stick」と「RaspberryPi 3B」に関しては、バリエーションがあるわけではないので価格勝負になりましたが、周辺機器に関してはたくさんのバリエーションがあります。
ここでは実績を重視してお勧め商品を提案したいと思います。(もちろんなるべく安い価格のものを選んでいます)
なお、家に既に使っている機器があれば、それを使うのが一番です。
RaspberryPiの電源はmicroUSB端子から供給します。いわゆるACアダプタです。
おそらく家にも携帯電話の充電用などで、あるかと思いますが、ここで考慮すべきは流せる電流です。
家にある電源は 500mA や 1A程度のものだったりしないでしょうか?
RaspberryPi3Bでは2.5A以上の電流を推奨としています。
特に今回はディープラーニングで画像認識を行うため、結構電流を消費します。
流せる電流が少ないと、途中でフリーズしてしまったり、再起動してしまう可能性が大です。
電源はケチらずにちゃんとしたものを購入しましょう
クラゲがお勧めするのは秋月電子通商の電源です
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-12001/
値段が高めに感じた人は、webで「RaspberryPi電源」を検索してみてください。もっと高いと思います。
RaspberryPiのOSやアプリ、データを保存するために必要です。RaspberryPiのストレージはPCのようにHDDやSSDではなく、microSDカードを使います。
Neural Compute Stickを使って様々なサンプルコードを実行したい場合、16GBだと不足するため、容量は32GBをお勧めします。
クラゲはこちらのmicroSDカードを使って動作確認しています。
www.amazon.co.jp/dp/B06XSV23T1
他の32GBのmicroSDカードでも良いとは思います。
RaspberryPi専用のカメラもありますが、やや高いのと位置を固定させるためのケースなども必要になるため、安価なUSBカメラをお勧めします。
クラゲの実績から以下のUSBカメラをお勧めしています
www.amazon.co.jp/dp/B003YUB660
もし、他のUSBカメラが家にある場合は、まずはそれで試してみるのも良いと思います。
RaspberryPiが出力する画面を表示するためにHDMI入力のディスプレイが必要です。
家にHDMI入力のあるテレビやディスプレイがあれば問題ありません。
実は、VNCという技術を使うと、無線でRaspberryPiの画面をPC画面に転送するという事が可能です。
しかし、最初のOSインストール時はその機能が使えないため、最低でも最初の1回だけディスプレイが必要です。
ですので、家のリビングルームにあるHDMI入力のあるテレビなどでもOKです。
もし、家にディスプレイが全くない場合は、HDMI入力のディスプレイの検討をお勧めします。
20インチ程度であればamazon等で1万円程度で売っています。
10インチ以下の小さなディスプレイも売っていますが、あまりお勧めしません。理由は、解像度が低く画面全体が映らないからです。
もし、なるべく小さいディスプレイを選択したい場合は、以下の10.1~13.3インチをお勧めします。
www.amazon.co.jp/dp/B077W74P36
ちなみに、家にHDMI入力対応のテレビやディスプレイはないけど、VGA入力対応のディスプレイだけはあるという方はHDMI-VGA変換アダプタを使うという手があります。ただし、相性の問題や、事前に設定が必要だったりするためwebで調べてから購入した方が良いでしょう
こちらも基本的に家にある普通のHDMIケーブルが1本あればOKです。
形状としてHDMIミニやHDMIマイクロなどありますが、ラズパイ側は普通サイズのHDMIです
もし無い場合は以下などをお勧めします。
www.amazon.co.jp/dp/B004I2BDA2
こちらも基本的に家にある普通のUSBマウスでOKです
もし無い場合は以下などをお勧めします。
www.amazon.co.jp/dp/B0098E6NQO
※プライム会員&買い合わせ対象のため安いです。対象外の方は他のマウスでも全く問題ありません。
こちらも基本的に家にある普通のUSBキーボードでOKです
もし無い場合は以下などをお勧めします
www.amazon.co.jp/dp/B00SGJ0YBM
※コンパクトなのでお勧めしています。大きくても良いのであればもっと安いモノもあります。
こちらも基本的に家にミニジャック入力のスピーカーがあればOKです
また、HDMIディスプレイにスピーカーが内蔵されていれば、それでも代用OKです
もし無い場合は以下などをお勧めします
www.amazon.co.jp/dp/B01JI044MW
今までのまとめです。
繰り返しになりますが、家にあるものは購入不要です。
品目 | お勧め購入先 | 代替品について | 備考 |
---|---|---|---|
Neural Compute Stick | 秋月電子通商 | なし | 少しでも安く購入したい人は海外のMOUSER |
RaspberryPi電源 | 秋月電子通商 | 2.5A以上であること | |
RaspberryPi3 B | RSコンポーネンツ | B+では動作実績なし | 面倒な人は秋月電子でまとめて購入するも良し |
microSDカード32GB | Amazon | 家にあれば購入不要 | 32GB |
USBカメラ | Amazon | 家にあれば購入不要 | |
HDMIディスプレイ | Amazon | 家にあれば購入不要 | 家にあるテレビでも良い |
HDMIケーブル | Amazon | 家にあれば購入不要 | |
USBマウス | Amazon | 家にあれば購入不要 | |
USBキーボード | Amazon | 家にあれば購入不要 | |
スピーカー | Amazon | 家にあれば購入不要 HDMIディスプレイの内蔵スピーカーでも代用可 |
端子はステレオミニプラグ |
※なお、RaspberryPiのOSはPCからmicroSDカードへデータをコピーします。PCにSDカードのスロットがない場合は、別途SDカードリーダー等のご用意をお願いします。
さあ、これだけ機器が揃えば準備万端です! 次回はラズパイのインストールをゼロから実行しましょう!
以上、必要となる周辺機器の全てでした。